第4回金時山オフ 勝負篇
〜neopara の場合 PART2〜
うぐいす茶屋から最初の10分は、k.oshima, neopara, Hayami の 3人が大体同 じ歩調で上がっていった。
出だしの勾配はそれほどでもないが、休みをとった直後なので、足が重く感じ られるところである。が、k.oshima は足の重さなど感じないのか、へらへら登 っていった。後半が厳しいため、前半はペース配分が勝敗に響くポイントとなる。
そして、中間点ともいえる15分ほどのところに、ezumi の文書にもある分岐点 がある。
一旦足が暖まっても、10分〜15分あたりの勾配はかなりキツくなってきている ので、疲れがたまってくるあたりだ。よってこれまでは、ここでひと休みしてか ら最後の15分にかかるのが定石であった。
しかし、k.oshima は ezumi の報告の通り、ここをあっさり通過した。これに は Hayami も私もゾっとした。ゾっとしつつ、ぶーぶー言いながらつい ていった。ぶーぶー言えば立ち止まるかも知れない。そしたらこっちは立ち止ま らずイチかバチかの勝負に出るつもりだった(笑)。
それがミエミエだったのか、k.oshima は登り続けた。ついて行けるところま でついて行くしかない。ここでペースを緩めたら、残りの二人に追い付ける可能 性がないことは、うぐいす茶屋の時点で覚悟している。しかし、3人の間隔は詰まってきた。k.oshima のペースはだんだん低下してき たのだ。ここへきて、レースは本当のデッドヒート状態になった。抜く べきか。しかしこちらも休憩なしでつき合わされているので自信がない。悩んで いるうちに、なんと靴の紐がほどけてしまった。これが私の最大の失態であった。
勾配は更に急峻となってきているので、紐を放ったまま登ることはできない。 しゃがみこみ、紐を結びにかかった。ここで Hayami が私を抜いて 2位に上がっ た。私はこの紐結びでペースが一気に崩れた。この十秒余の運動停止で、ももが 固まって持ち上がらなくなった。Hayami はそのまま k.oshima に肉薄して「 遅いぞ、どーした!!」とプレッシャーをかけているようだ。前方 10m。山で はこの 10mがとても長い。ついて行けるか。k.oshima のペースが落ちたので、 まだ一人でとり残されてしまうとは限らない。2位の可能性はある。ついて行く。 ついて行く。私はここからはずっと、自分の身体を持ち上げるために、足りない体力の代わ りにひたすら精神エネルギーを注入していった。Hayami が k.oshima を抜いた 瞬間のことが思い出せないが、そう間をおかず Hayami は先頭に立って差をつけ 始めていた。この辺からは、勾配が急なだけでなく足場が悪くなっている。
k.oshima はペースを落してはいたが、私が彼の背中に迫るのに数分を要した。 追い付いたら無条件に抜くことが必要だということだけ思考して、タイミングを あまり考えずにペースを上げて抜いた。22〜23分ぐらいのところではないかと思 う。モウロウとしながら、「あと 3分ぐらいあと 3分ぐらいあと 3分ぐらい」と 考えてひたすら足を上げた。
前方の Hayami を伺うと、さらに差がついており、彼が立ち止まるような波乱 がない限り追い付けないことが判った。彼がいまいる地点まで登るのだけでもい やだった。ペースアップのため、ここから頂上までは動悸が臨界、脳は酸素 不足でよく覚えていない。結局、Hayami は残り 3分地点で精神的に崩壊したそうだが、それでも リードを守りきって 1位。私はなんとか目標の 2位を達成した。k.oshima は大 ブレーキにはならず30秒ほどの差で 3位となった。
「またきたか」と(元)金時娘