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さてこれからが本番である。そこはもう登山道というよりは獣道といった方が当 てはまるくらいに荒れていた。
第4回金時山オフ PART2
(1998.04.18〜04.19)
「こんな道、猪ぐらいしか通らないぜ、ケッ。」
などと、毒づきつつ、ガシガシとまず第一の目的地、明神ヶ岳を目指した。
歩き始めは自分の汗が雲になったかと思うほど、ガスが立ち込めていたが、尾根 に近いところに近づくにつれて、ガスがはれ、天気が良くなっていくようだった。
明神との中間点鞍部に着く、まだまだビール隊の面々は元気だ。出口の口から冗 談とも愚痴とも着かない言葉も発せられている。
毎回恒例となっている、前半でおのっちの足がつるということもおきた。
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前回と比べ、十分に余裕がありそうだった。
10分の休憩を取り、明神ヶ岳に足を向けた。ここからもわずかながら登りが続く、 でも、思ったより足取りは軽い。
景色もきれいだ。
外輪山内側にある、神山などが雲海に浮かびちょっとした異世界を形成していた。 この景色には一同は少し歩く速度を思わず緩めてしまった。
景色を眺める余裕を持ちつつ、明神ヶ岳に到着した。
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自然にみんなの口から言葉が漏れる。
「前回より楽だ。」
この言葉からも、いかに前回の行程が苦行だったのかが計り知れる。
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「おっ、富士山が見える。」
「4回目にして初めてですね。富士山が見えるの。」
回を重ねるごとに天候が悪くなってゆくというこの金時山オフ。最悪の天気かと 思われた今回で、富士山を見ることができたのは奇跡だった。
そして、そこは少し時間が早いせいもあるのかもしれないが、いつもと明らかに 風景が違っていた。
「静かだ。」
心の中でそう呟く。いつもの芋洗い状態、昼飯をここでどうしても食べるけんね 的グループがいない。
いるのはおじさん4、5名のグループが1組、端の方で携帯コンロを使い、つまみ などを作りつつ、よろしくやっている。
静かな山はいい。この時は少し天気予報を感謝したりもした。手早く富士山をバックに記念撮影をする。そして、第二の目標うぐいす茶屋を目 指し、出発した。
ここではビール隊は二手に分かれ時間差でうぐいす茶屋を急襲することにした。
先発隊、Hayami、neopara、k.oshima、vc.tada、少し遅れてezumi。10分遅れの 後発隊は、こんちゃん、おのっち、exit。
出発する頃には、富士山は雲の中に隠れてしまった。さらに雨もわずかだが感じ られるようになった。
前回の記憶がよみがえる。この明神ヶ岳〜うぐいす茶屋間で前回は雨に降られ、 ただでさえ体力だ落ちているところに追い討ちをかけたのだ。
しかしその心配は杞憂に終わった。実際には雨は数滴という感じにしか落ちてこ なかったのである。
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アップダウンが多少はあるが、それほどきつくはない。登りはこれ以上は苦しい かなというところで、登り切ってしまうということが多かった。
最初の下りの途中で、2匹の猟犬に出会う。ベルを首から下げていて、いかにも 上品そうな感じの犬であった。
そして、我々の顔をじっと眺める。
「あんた私のご主人じゃないね。私は私の道を行くけんね。かまわないでね。フ ンッ。」
という感じで軽快に登っていってしまった。この犬の主人一行とはかなりあとで すれ違うのだが、無事巡り合えたのであろうか。少し心配である。
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行程の中間地点あたりで、食事を取る。
めいめい食事を用意し、食べたのだが、ここでは小田原駅前で売られていた、鯛 の押し寿司に登場願おう。
押し寿司の素材に鯛が使われるのは珍しいと思う、またこの上に添えられる生姜 の味が少し大人の味を醸し出していたりもするのだ。
しかし、こんちゃん曰く、「いまひとつだなぁ。」
食の要求には限界はないのである。食事をとり終わったものは、それぞれに出発する。
後アップダウンを二つも越えれば、景色が広がり、その先に茶屋が見えてくるの だった。
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