この世のCPUを食べ尽くすのだ! 第3章 第1節

~あんたCPUなんか創ってどうするのよ?! Vol.3~

2018/10/8
技術書典5 け39

第3章 第1節 クロック周波数の決定

まず初めにクロック周波数を決めておきましょう。

これは絶対必要という訳ではないのですが、TD4EX3をブレッドボードで作成するという都合上、あまり速いクロックでは動作しないことが予想されますし、逆に遅すぎるクロックでは電卓として実用になりません。設計する前に、クロック周波数の目安は決めておくべきでしょう。

また、デモンストレーション用のプログラムとしてTD4でお馴染みのラーメンタイマーを用意する予定なので、その意味でもクロック周波数を決めておく必要があります。

そこで筆者の独断で、TD4EX3のクロック周波数を1kHzに決めます。人間にとっては速く、電子回路にとっては遅い周波数なので、妥当なところでしょう。

 

ちなみに、これまで説明もしていませんし、回路図にも載せていませんでしたが、クロックジェネレーターにはSPG8640BNと言う専用ICを使用しています。これは0.1Hz~1MHzまでのクロックを発生させることのできる便利なICです。精度も誤差0.01%以下と高精度なので時計に使うこともできます。

表2 SPG8640BN
周波数 ピン番号 図19 SPG8640BN
2 3 4 5 6 7
0.1Hz 0 0 0 1 1 1
1Hz 0 1 1
10Hz 1 0 1
100Hz 0 0 1
1kHz 1 1 0
10kHz 0 1 0
100kHz 1 0 0
1MHz 0 0 0
ピン番号2~4を使うと500kHzや333kHzなどの周波数も出力できる。