ええっ⁈ CPU創ったの⁈ すっごーい! 第1章 第1節
~あんたCPUなんか創ってどうするのよ?! Vol.2~
2017/8/11
コミックマーケット C92 1日目 東7そ11b
第1章 第1節 改めてTD4とはどんなCPUなのか
本書は渡波郁氏の著書である「CPUの創りかた」の読者、特にTD4を実際に制作された方を対象としていますが、ご存じない方のために簡単にまとめると以下のようになります。
- 4ビットCPUである。つまりデータのビット幅が4ビット
- 10個のICで出来ている。ただしクロックジェネレーターを除く
- プログラムサイズが最大16命令である。つまり命令アドレスバスの幅が4ビット
- 1命令8ビット固定長
- 命令数は12種類
- 加算が出来る。加算以外は出来ない
- アキュムレータが2個あり、加算はどちらでも可能
- RAMは無い
- ジャンプ命令と条件ジャンプ命令がある
- 入力ポートと出力ポートがあり、IN命令とOUT命令で制御する
このように言葉で列挙すると、貧弱ではあるもののCPUの仕様として問題はなさそうに見えます。
もちろんツッコミどころは沢山あります。最大プログラムサイズが16命令しかないとか、RAMが無いとか、加算しか出来ないとか、もうちょっとマシ設計はできなかったのかよ、と言いたくなる部分は沢山あります。
しかしその程度の欠点は大きな問題ではありません。TD4はたった10個のICで出来ているのですから、一般的なCPUに比べて機能が劣るのは仕方のないことです。
とすると、TD4はこれで満足できるCPUなのでしょうか?
あなたが渡波郁氏と同じように10個のICでCPUを設計して製作した場合、同じような仕様のCPUが出来上がれば十分なのでしょうか?
あなたの友人は
「すっごーい!」
と言ってくれるのでしょうか?