あんたCPUなんか創ってどうするのよ?! Vol.1 第1章 第2節

~TD4とかいうCPUがあまりにも残念だったので拡張してみた~

2016/8/14
コミックマーケット C90 3日目 西g16b

第1章 第2節 意外な盲点(良い意味で)

筆者が個人的に良いアイデアだと思ったのは、プログラムを格納するROMに半導体のROMを使用せず、ディップスイッチを16個並べて半ば強引にROMに仕立てている点です。 最大プログラムサイズが16バイトしかない設計だからこそ可能な方法ではありますが、プログラムを目で直接見ることができるという分かりやすさが何よりも素晴らしい。プログラムの変更もディップスイッチを切り替えるだけ。手間はかかりますがコンパイラやアセンブラなどのソフトウェアも不要ですし、なによりもPCが不要です。

半導体のROMをプログラム格納用に使うためにはROMライターが必要となりますが、個人で持っている人はそうそういないでしょうから、そもそもPROMやEEPROMなどの半導体メモリをROMに使うこと自体が大きなハードルなのです。

TD4ではそのハードルをあっさり回避しています。これは盲点としか言いようがありませんでした。

とは言え、欠点が全く無い訳ではありません。それはハンダ付けが物凄く大変だと言う事です。1個のディップスイッチ(1バイト分)で16ヶ所のハンダ付けが必要ですから、それが16バイト分ともなると合計256ヶ所のハンダ付けという事になります。さらにアドレス選択用のダイオードやら、プルアップ用の抵抗やらを含めると、軽く500ヶ所以上のハンダ付けが必要になるのは想像に容易でしょう。

TD4本体のハンダ付けが多くても300ヶ所くらいだと考えると、かなり根性のある人でないと製作できないかも知れません。